ロボット記者について
- 公開日時
- 2013年4月1日(月)12時00分
- 更新日時
- 2013年5月24日(金)15時05分
ロボット記者はデータを元に記事を自動作成するプログラムに付けられた名称です。
文章作成プログラム自体は昔から存在しましたが、ロボット記者と名付けられ注目が当たるようになったのはごく最近のことです。
日本で「ロボット記者」という言葉が最初に話題になったのは、2012年3月にウォール・ストリート・ジャーナル日本版に掲載された「新聞記者の仕事もロボットに置き換わるか?」という記事でした。ジャーナリストの影木准子氏がロボット記者システムの開発と運用を行う米国のベンチャー企業ナラティブ・サイエンスを取材したものです。
同年7月にネットメディアのJ-CASTでもロボット記者についての記事が掲載され、広く読まれたようです。J-CASTの記事では、ナラティブ社と、同じく自動記事作成を行う米オートメーテッド・インサイツ社が紹介されています。両記事とも、与えられたデータを元に人間が書くのと同様の記事を作成するコンピュータソフトウェアが米国で開発されたことと、その利用が広がっていることを伝えています。
WIREDに掲載された「アルゴリズムは記者より優れた記事を書けるだろうか?」では、ロボット記者という言葉は使っていませんが、ナラティブ社とオートメーテッドインサイツ社の取り組みを元に、プログラムによる記事作成の実態についてより詳しく紹介しています。
当サイトでも、プログラムがデータを元に作成した記事を掲載しています。ナラティブ社やオートメーテッドインサイツ社のロボット記者プログラムの内容については、上で紹介した記事以上のことは知りえませんが、おおむね似たような仕組みで動いているのだろうと思われます。データをもとに自然な文章を作成する。ロボット記者プログラムの仕組みにはそれ以外のものはありません。
そもそも、あらかじめ文章の雛形を用意しておき、状況に応じて当てはまるものを組み合わせて表示するプログラムは昔から存在し、さまざまな分野で用いられてきました。
健康診断の結果に記されている「異常はありません」「体重を落としましょう」といった類の文章は、あらかじめ用意された文章パターンから診断結果に当てはまるものが呼び出されています。多くのメディアで目にすることのできる占いコンテンツには、文章作成プログラムによって生成されたものが数多く混じっています。私たちを苦しめる大量のスパムメールでも、一部で文章生成プログラムが用いられているだろうと指摘されています。
ロボット記者という名前こそ付けられていませんでしたが、これらもデータを元に文章を作成するプログラムに他なりません。これらの文章作成プログラムがロボット記者と呼ばれることがなかったのは、記者という職業の人たちが書くような記事を作成することはできなかったためです。
しかし、IT技術の進化と、文章を作成するために利用可能なデータが増加したことにより、プログラムによって生成可能な文章の種類が増え、そのレベルも向上してきました。記者と名付けてもよい水準まで文章生成プログラムの精度が上がってきたことが、ロボット記者という言葉の登場につながったのでしょう。
当サイトでは、ロボット記者プログラムの開発を行い、実際に作成した記事を掲載するメディアを運営することで、ロボット記者の持つ可能性を追求していく予定です。そこで得た成果などがあれば、それを紹介していければと考えています。